お客様が損をする提案を自信満々にする不動産買い取り営業部長の話
不動産買い取り営業の頻繁な電話
私は、東京都千代田区秋葉原にある区分マンション1室を所有している。
(詳しくは「【リアルレポート】秋葉原の投資用マンションは儲かるのか」へ)
近年、千代田区の地価が高騰しているため、「秋葉原のマンション1室を買い取りたい」という営業の電話が頻繁にくる。
こちらの事情など知ったこっちゃなく、平日の仕事中にもかかわらず、ひっきりなしに電話がかかっくるのだ。
本当に迷惑であり、相手の気持ちを考えない行動に不快感を感じている。
営業部長を名乗る男からの電話
しかし、不動産買い取り営業の電話は巧妙であり、携帯電話の番号でかけてくることが多い。
そのため、営業の電話だと気付かずに、たまに電話に出てしまうことがある。
以前、営業部長を名乗る男からの電話に誤って出てしまった。
またもや、「千代田区秋葉原の区分マンション1室を買い取りたい」という内容だった。
ただ、他の営業と違った点は、「買い取りたい」と言っているお客様と交渉をして、少しでも高く買い取れるようにしたい、と提案してくれた点だった。
私は、他の営業と違う点に興味が湧き、少し話を聞いてみることにした。
損をする提案を自信満々にする
物件の購入価格が2400万円だったため、私はそれ以上の値段で買い取ってもらうことを期待していた。
営業部長から提案された価格は、、、
なんと2400万円
購入した価格と同じ値段で買い取ってもらうということは、利益ゼロということだ。
いや、手数料込みで買い取るので、実質私は損をすることになる。
しかし、営業部長は自信満々に言い切った。
『私は◯◯さんが満足のいく買い取りをできる自信があります!』
私は耳を疑った。
損をする提案を自信満々にしてくるだけでなく、私が満足のいく買い取りをできる自信があると・・・?
「この人は本当に頭が悪いんじゃないか」と思った。
これ以上話すのは時間の無駄だと感じ、電話を切った。
顧客への提供価値が置き去りに
私がこの経験から感じたことは、「不動産業界は、『顧客への提供価値』が置き去りにされている」ということだ。
会社として利益を出すことが最終的なゴールとなってしまっている。
ゆえに、不動産を売る営業もお客様の利益などどうでもよく、物件を売ることが目的になっている。
お客様への提供価値だとか、社会への貢献だとかはどうでもいいとさえ思っている。
とても古い体質の業界だ。
逆に言えば、その古い体質を破壊し、お客様への提供価値の優先順位を上げる会社が出てくれば、一気にシェアを奪う可能性がある業界でもある。
そんなことを考えさせられた体験だった。